長島美術館で現在開催中のイタリアボローニャ国際絵本原画展に行ってきました。長島美術館での展示は今回で最後なんだそうです。
毎年楽しみにしていたので、とても残念。
ボローニャ展は絵本の原画なので、芸術の知識なんかない素人の私でも、とても楽しめる展示なんです。
今回の入選作品がどんな感じだったのかシェアしたいと思います。
ボローニャ展って?
イタリアのボローニャ市で1964年から毎年開催されている絵本原画のコンクールです。
ボローニャチルドレンブックフェアという、世界最大級の絵本の見本市が開催され、その中で若手作家の登竜門として、世界中から注目されています。
昨年2018年第52回の絵画コンクールには、3600人以上の応募がありました。
その中から厳正な審査の上、25カ国77人の入選作品が選ばれています。この入選をきっかけに日本でも多くのイラストレーターが絵本作家としてデビューしているそうです。
過去の入選した主な日本人作家
三浦太郎さん
私も大好きな絵本の一つ。
「ぞうさんとぞうさんが…くっついた!」と、リズムよく「くっついた」の繰り返しが続きます。最後のページはみんなくっついて、とても幸せな気持ちになる絵本です。
ヨシタケシンスケさん
この絵本もすごくおもしろいです。何度読んでも、声を出して笑ってしまいます。
男の子が自分で服を脱ぎたくて奮闘するんですが、もう脱げないからそのままで生きていこうなんて考えるんです。
個性を受け入れて、困ったことがあっても工夫していけばいいよねって、なんだか深いことも言っています。
他にも色んなシリーズで出ていて、どれ作品も大好きです。甥っ子たちにプレゼントしたら大爆笑で読んでいました。
日本での2018年ボローニャ展開催美術館
開催美術館 | 期 間 | ||
なりますアートギャラリー | 2018年 7月 6日~ 7月29日 | ||
大谷記念美術館 | 2018年 8月11日~ 8月24日 | ||
四日市市立美術館 | 2019年 9月29日~10月28日 | ||
石川七尾美術館 | 2019年11月 2日~12月 9日 | ||
長島美術館 | 2018年12月15日~ 1月20日 |
2018年の入選作品の日本での展示は、長島美術館でおしまいでした。
今は、2019年の応募が終わっていて、4月1日からイタリアボローニャで今年のブックフェアが開催される予定です。
私が訪れた長島美術館
入館料
- 一般:900円
- 高校生、大学生:600円
- 小、中学生:300円
アクセス
住所:鹿児島市武3-42-18
電話:099-250-5400
休館日:毎週火曜日
開館時間:午前9時から午後5時
館内の様子
撮影禁止なので、中の様子は撮影していません。
2会場に分かれていて、メイン会場である地下に受付があります。割引券を持っていたので、本来は900円のところ、800円で入場できました。
館内は、平日の午後ということもあってか、あまりお客さんはいませんでした。静かな雰囲気の中で、ゆっくりと見て回ることができました。
イタリアボローニャ国際絵本原画展を見た私の感想
ストーリーを想像してワクワク
5枚1組での応募が決まりになっていて、一人の作者につき、作品が5枚ずつ並んでいました。それぞれにタイトルがあって、ストーリーっぽくなっています。
絵本の原画ですので、これから絵本になっていくことを考えると、どんなストーリーになるのかワクワクしてしまいました。
展示作品のそばに、作品をわかりやすく解説する付箋が貼ってありました。小学生にもわかりやすい言葉で、その絵のポイントが書いてあって、なるほどーと思うことがたくさんありました。
かわいいキャラクターたちに癒される
子供のための絵本ですから、何が書かれているのかわかりやすい作品が多いです。かわいいキャラクターたちは、表情豊かに描かれていて、見ていてほっこりします。
チケットの代わりというパンフレットです。
メインに大きく載っているこの作品は、スペインのイラストレーターJoan Negrescolorさんの作品で、「Animal City」という絵本になっています。
このカバさんに一目ぼれ。カラフルな色合いがとても楽しい気分にさせてくれました。
ボローニャだからネコ率高いにゃ?
入選作品を見ていると、動物系が多くありました。中でもネコが多い。
パンフレットの下の方に載っている作品は、日本人作家の佐藤文音さんの「ヘンテコ猫を探しに旅をする、姉弟の話」です。
印象的な目をした巨大ネコさんが描かれていました。表情がないようで、でも表情豊かな面白い顔のネコさんが、すごく気に入りました。
これは、第2会場の入り口に貼られていました。
シャッターの貼られた窓からのぞく黒猫さんがなんともキュート!ここに貼った人センスがいいな。
館内のあちこちにキャラクターたちが
来るときは気づかなかったけど、館内のあちこちにかわいい動物や、キャラクターたちが潜んでいました。このカピバラの表情がいいですよね。
こんな隅っこにも、猫さんがいました。
片仮名がついていますが、すべてのキャラクターを見つけると文章になるんでしょうか。私はすべては見つけられませんでした。
絵本作るの大変
館内に、絵本を作成する過程を紹介する動画が流れていました。
動画の中で、ある絵本作家の男性が、小さなメモに、これから絵本にする絵を簡単に描いて、それを何枚も並べます。テーブルいっぱいに並べたそのメモを、順番を入れ替えながら、どんなストーリーにするのか、考えているようでした。
順番が決まったら、メモをもとに絵を描いていきます。
絵画なら1枚を描いたらいいのでしょうけど、絵本ですから何枚も何枚も描かないといけないわけですよね。
絵本を作るって本当に大変な作業だと思いました。
審査するのも大変
受付のそばに絵本コーナーがあって、そこで、ボローニャ国際絵本原画展がどういったものなのか、動画で説明をしていました。
その中に、ある審査員の女性が登場して、審査の様子を説明していました。
3000人を超える応募の中から、審査員が5人で何日もかけて入選作品を選んでいくそうです。
その女性にとって大変だったことは、審査員同士のコミュニケーションだと言っていました。
国籍の異なる5人の審査員が、英語で作品を見ながら話し合います。それぞれ感性が異なるので、いいと思う点、あまりいいとは思えない点がかみ合わないのです。
何日も話し合って、お互いの個性や好みを理解して、学びあって、ポジティブな妥協をしながら、入選作品を選んだそうです。
あきらめずに相手を理解するまでコミュニケーションを続けるって本当に大変そうです。
私自身を振り返ってみて、家族や友人とそこまで深くコミュニケーションを取れていないことを、ちょっと反省しました。
自分の好みを理解してもらうって、恥ずかしいし、説明するのも面倒くさいと思ってしまってました。
私はこれが好き
16枚セットで1600円でした。
- 色がカラフルで、はっと目を引くもの
- 印象的な表情をしているもの
- 線がはっきりとしているもの
こんな感じが私の好みかなと思います。パッと目を引いて、心に残るものが好きだなと思います。
というわけで、私の好みを知ってもらうために、夫に一生懸命説明しようと思ったわけです。コミュニケーションは大事ですからね。ポストカードを見せて
ボローニャ展に行ってきたの。このカバさんの目がかわいいでしょ!
ふーん
うん。人によって好みは違うからね。
イタリアボローニャ国際絵本原画展を見てきた私の感想でした。